ニューヨークの家賃相場をご存じでしょうか。
地区によってさまざまですが、私の行く大学があるマンハッタン地区の平均的家賃をお伝えしましょう。
４５万円／月です。（２０２０年１月時点、RENT Cafe’ 調べ）
は・・・
はにゃ～（バカの顔）
正直言って初めて検索をした時は血が凍りました。大学に受かったはいいものの、こんな狂気じみた地価で、私が住める場所なんてあるのか。ない。そうか……。ホームレスか…。真冬のNYでも、家無しで過ごせるかな。コストコの…コストコのデカい段ボールって、温かいのかな。豪雪が吹き荒れるなか、ウォルマートの換気扇から出てくる温かい風を頼りに、震える手でレポートに取り組むのかな。そんな己の姿が脳裏を駆け巡り、恐怖に思わず実家のネコをギュッとしてしまいました。
ハッ…と気づけは渡米まであと２か月。
そろそろ住む家を探さにゃならぬ。
だが、どうやらニューヨークはまともな人間の住める場所ではないらしい。言うなれば資本主義の妖怪たちの根城、インフレーションの先っちょ、限られた金持ちしか借りれない魔窟…。くっ…。
しかし待たれい！私には学生の特権があるではないか。
そう、学生寮である。
コロンビア大学は２種類の学生寮を提供している。１つはオン・キャンパスと呼ばれる、大学の敷地内に設置されている大学の直営寮。もう１つはオフ・キャンパスと呼ばれる、大学の敷地外で民間の会社が運営している寮である。
▼コロンビア大学のマップ。この中に学生寮（On-campus）も組み込まれている。
敷地外の寮は１５万～２０万ほどの家賃だが、大学直営寮の家賃はなんと９万円から。や、安い！！！うっわ～～～い♡♡♡そんなに安くていいんですか！！もう叩き売りではないか。（感覚がバグってしまった人）
まあそれでも安月給の半分を持っていかれてしまうので決してポンポンと出せる額ではないが、背に腹は代えられぬ。よーし、学生寮に申し込もう。
そうと決まれば寮の募集要項を読むぞ！！
は、はう…はわ…はうじんぐ…でっどらいん…いず…えいぷりる…さんじゅう…
えいぷりる、さんじゅう
４／３０
締め切り過ぎてる。おわた
４月２７日に合格通知受け取ったばっかりなのに、３０日締め切りって鬼畜じゃん、と思いつつ、私はまたも大学の担当者に泣きついた。えーん助けてよーDr. Marakowitzー。はい、そういうわけでマラえもんに何とか取り次いでもらって閉め切りを伸ばしてもらいました。ふう…。そろそろボコされても文句言えんな。
寮の申込書を書いていると、いくつか面白いことに気が付きました。
まず一つ目。
パートナーのいる学生が、カップルや夫婦、さらには子連れで寮に申し込めるようになっている。
柔軟だ…。日本の大学において子連れの学生が家族ごと大学寮に住めることなんて、私の知る限りどこもない。アメリカでは社会人経験を経て３０～４０代で大学院に通うなんてざらであるため、子連れも多いとう事情がここに反映されているのだろう。当然私はシングル（独身）で申し込んだ。はよ結婚してえ
二つ目。
男女が分かれている寮に入るか、それとも男女が混合の寮に入るかが選べる。
日本だったら是非もなく寮は男女別。女と男がまじりあった寮など言語道断、不純異性交遊としてPTAから批判は免れません、という感じだと思う。（あくまで個人の意見です）が、流石LGBTQ＋フレンドリーなアメリカである。男だけど男が恋愛対象です、女だけど男の体です、そもそも性別がわかりません、男女別で分けられたくない…。そうした様々な事情を抱える人に配慮して、男女混合の寮があるのだと思う。知らんけど。ちなみに私は男女混合・男女別の寮も両方「可」で出しました。締め切りがギリギリすぎてどっちがいいとか贅沢言ってられん。別にどっちでもいいし。
三つ目。
「どれくらい部屋を掃除しますか？」「家にどれくらいの頻度で友達を呼びますか？」「自炊はどれくらいしますか？」「ビーガン・ベジタリアンなどの食の嗜好はありますか？」など、詳細な問い。
面白いのは、「自炊はどれくらいしますか？」という問いに対して、「めったにしない（月１回）」「ときどき（月２回）」「頻繁にする（週１回）」という回答ぶりだ。アメリカでは週１回でも自炊していれば「頻繁に」自炊する方に入るらしい。アメリカ人、自分でご飯作らなさすぎでは？
そういえばフロリダで働いていた時、アメリカの食事が口に合わな過ぎて毎日台所に立ってチャーハンを作っていたら、同居人のエミリーから「うわっ…ひなのはなんか、こう…なんか…すごいね」と謎に濁した賞賛をもらったのはそのせいか。（いや、毎日連続でチャーハンだったからか？）（でもチャーハンしか作れなかったんだよ、当時は。）ちなみにちょっと慣れてきてお好み焼きを作ってやった際には、エミリーから「和風のピザだね」というコメントをいただいた。ちがうよ。
そんなわけで、寮の申し込みを通して、いろんなアメリカの社会事情が見えました。
とりあえず一番安い寮をノールックで上から３つ選んで申し込んだので、自分がどんな条件の寮に申し込んだのかよく知りませんが、まあどこでも生きていけるんで大丈夫でしょう。
なんでもいいから、神様！（もしくは神々！）（もしくは先祖的な何か！）寮に受からせてください！