「なぜアメリカへ?」「よさこいをしに…」(SOPの内容)

こんにちは。

久々に実家に帰ったら、母がくれました。

 

 

ほんのりピンクの、ただのフワフワ。

 

良い。本質的に良い。

 

という訳で今週も始まりました。ブログです。

今回は、なぜ私がアメリカに行くのか。そもそもの目的についてお話します。

友人諸君は私からの近況報告として聞いてください。大学院受験情報を探してこのような僻地にたどり着いた方は、合格者のSOP(志望理由書)として本記事をお楽しみください。

 

まず、今更ですが自己紹介から。

私の名前はひなのです。のどかな山と田んぼに囲まれた、片田舎の美容院に長女として生まれました。小学生のころは鍵っ子だったこともあり、両親が帰ってくるまでの間、「精霊の守り人」「ゲド戦記」「オオカミ族の少年」「ドラゴンラージャ」「西遊記」「ナルニア国物語」「彩雲国物語」など、家の書架に無造作に積みあがっていた児童文学をかたっぱしから読んで育ちました。もともとの社会性の無さも手伝って本の世界にはどっぷりと憑りつかれ、友達の誘いを断って学校の図書館に通い詰めるほど。高校を卒業するころにはすっかり、「故郷を離れ、海を渡り、冒険の旅に出て、世界を救う」という猛烈に偏った将来像が、誰にも崩せない城塞のような堅牢さでズドーンと私の心の草原に建っていました。

▼幼少期の憧れ、「ゲド戦記」の主人公。ちなみに映画版はクソです

5 Reasons to Read (Or Reread) 'Earthsea' | The Daily Geekette

大学に入るやいなや、たっぷりと肥大した冒険願望に背中を蹴り飛ばされるかのように、夏になると必ずスーツケース片手に東南アジアやアメリカなどの外国に「冒険」へ出る生活を送っていました。もちろん学生でお金はないので、タイではカニ漁、アメリカではディズニーのキャスト、フランスではベビーシッター、などバイトに明け暮れる日々。

▼タイ。カニ漁の帰り(夜明け、遠くを見つめて激しい船酔いを緩和しようとしている私)

▼タイ。近所の漁師のおじさん。めっちゃ良い人。昼間はトラックの運転手。

▼タイ。超なついてくれた近所の子供。隙あらば腹に鋭いパンチを決めてきたが、毎日家に遊びに来ていたので恐らく懐かれていた。この子の家にも何度か泊まりに行った。(すげえ量の米を食わされる)

▼タイ。家のキッチン。家?…小屋……家?泥水が出る。いつも、いつの間にか子どもがいる。

▼タイ。「マジでファイナルファンタジーじゃん…」と暫く立ち尽くしてしまった家の裏のジャングル。

▼アメリカ。ディズニーでキャストをしていた時の制服

まあそんなこんなで、バイト無双しつつ世界中を回っていたのですが、大学2年生の時、人生がますます狂う出会いがありました。

よさこいです。

マレーシアで謎の高熱に苦しんでから、帰国後、「旅に耐えうる体力をつけるぞ」と「Vogue revival」という東京で立ち上がったばかりの小さなチームに入りました。最初は体力つけるだけの目的だったのですが、なにやら踊りというものはたいそう私のメンタリティにあっていたようで、F1レーサーだってもうちょいスピード落とすだろという勢いでハマってしまいました。うおおおーーーーーよさこいってすっげーーーーたのしーーーーー!!

この魅力というのが麻薬の中毒症状に似ていて、次の目的地であったアメリカに出ている間もこう、踊っていないと「よさこい切れ」みたいな症状が出てきたんですよね。はあ…はあ…無理だ…踊ってないと…うっ…はあ…はあ…。ヌテラとピーナッツバターしか喉を通らない…。

そんなこんなで自分の福祉のためにアメリカでもよさこいを踊ることを余儀なくされました。といっても現地によさこいチームなぞ無かったので、チームは自分で作った。これが意外に続いて、フランスでまた新しいチーム作ったり、ドイツでもちょこっと踊ってみたり、となんだか息の長いプロジェクトに。

▼アメリカ(フロリダ州オーランド)で設立したチーム。ディズニーの中で踊ったり、マイアミ領事館後援の日本祭に出たりした。

▼ディズニーで謎のコンテストに出、謎賞をもらった。

▼フランス(パリ)で立ち上げたチーム。Japan Expo(いちごステージ:客席数1万3500人)ほか、マルセイユやボルドーにも足を延ばして演舞した。

▼パリ第5区の道端で毎週たくさん練習した。

▼時にはメンバーの家に集まって演出会議したり。

▼本番5分前、しっかりお化粧して

▼ダンス!

これがすんげ~~~~~楽しかった。もうドカ笑い。ガッハッハ

まあ大変なことも多くて、フランス人メンバーに振り落としするために一生懸命フランス語を覚えたり、日本から振付師を呼ぶために航空券代をクラウドファンディングしたり、出演交渉のために何十本も慣れない外国語で電話をかけまくったり、そもそも練習に来ないメンバーの家までわざわざ行って復帰するよう説得したり…と、激しい労力をかけてチームを回していました。

誰にも頼まれてないのに、何がお前をそこまで突き動かすんや…という感じでしたが、マジでバカなので「踊ってる時、楽しい」というモチベだけで全部やっていました。ほかに何も考えてなかった。マジで楽しいだけでお釣りが返ってきた。あとメンバーが大好きだった。

でも最近、こう、楽しい以外のメリットも気づいてきちゃったんですよね。

 

もしかして、「踊り」って…「外交」なんじゃないか…と

 

お? 寝ぼけとんのかコイツは?と思われるかもしれませんが、ブラウザを閉じる前にしばし待たれい。

これこそが、私がアメリカに行くに至る問いです。

踊りって外交なんじゃないか。今から説明しますね。

 

皆々様は「ソフトパワー外交」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

 

ちょっと固い説明になるので読むのがキツい人はお手洗いに行ってください。

はい。読み進めていただきありがとうございます。ソフトパワーとは、1900年にジョセフ・ナイというおじいちゃんが提唱した、新しい外交の手段です。できたてほやっほやの概念。

今までの外交は軍事力、銃!や経済力、金!といった、相手をねじ伏せる強い力(ハード・パワー)で交渉を進めていくのが普通でした。ですが、そうした強制力ではなく、文化の魅力、お互いが好きだという気持ち、そういうやわらかい力(ソフト・パワー)によって、国同士の関係を強めていこう、という新しい外交の形が、文化外交です。

実際、文化の力はすごいです。私がフランスやアメリカでよさこいチームを立ち上げる時、「日本文化が好き!」という理由だけで助けてくれる、たくさんの外国人の方々に救われてきました。ほかにも、アニメが好きだからと現地の日本企業に協賛してくれるフランス人や、かつて日本に留学していて恩があるからと日本人に仕事をあっせんしてくれるアメリカ人など、文化外交の成果を沢山見てきました。

なにより、言葉も、国籍も、人種も、肌の色も、すべての違いを乗り越えて同じ場所で踊ることで、どんな手段よりもわかりあえる。(はっずいことを言うなぁ~~!!!)(ぐええ!!はっずい!!うっ、、!!!!死にたい)(でも大事なことなので、言っときます、、、)

こういったものは小さな具体例でしかありませんが、日本文化が好きだという方々、一人ひとりの気持ちの積み重ねが、やがては日本の背中を押す大きな力になると私は、自分の経験から思っています。

外交において、踊りが戦車や金塊の代わりになると本気で思うほど夢は見てないです。でも、文化にしかできないことがあるのも本当。

ソフトパワーなんてまだまだ夢物語の段階ですが、ちゃんと理論化できれば強いツールになると思っています。ソシュールは、現実があって言葉が生まれるのではなく、言葉が切り取ることによって現実が生まれると言いました。ちゃんと理論化して、ナラティブを作ってあげれば、ソフトパワーは外交でもっと強い力を持つと思います。

だからこそアメリカの大学院で、文化外交の手段としてよさこいを研究して、よい論文を書いて、理論化に貢献したい。(はい、ここSOPのキモです。)

いつかもっとたくさんの人と踊って、わかりあうために。

 

長くなりましたが、以上が私の留学する理由です。踊って世界平和になるなら、めっちゃ良くね?うぇいw